2020.09.25

坂元達裕ら大卒→J2経由で躍動する
J1選手が急増中。その是非を問う

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

◆今季J1で移籍が「大吉」のベスト5>>

 セレッソ大阪のMF坂元達裕が現在、赤丸急上昇中だ。

 坂元は今季、J2のモンテディオ山形から移籍してきたばかりの新戦力。J1でプレーするのはこれが初めてにもかかわらず、4-4-2の右MFとして確固たる地位を築き、J1で2位につけるC大阪の堂々たる主力として活躍している。

今季、モンテディオ山形からセレッソ大阪に移籍した坂元達裕 直近のJ1第18節、FC東京戦でも0-2と敗れはしたが、ペナルティーエリア近くの狭いスペースに何度も潜り込み、鋭いドリブルでFC東京ディフェンスを慌てさせた。

 スピードとテクニックを駆使したドリブルを武器とする小柄なレフティは、もはや左サイドのMF清武弘嗣と肩を並べる、左右両翼の二枚看板と言っていい存在だ。

 先頃、当サイトでは独自に選んだ「J1前半戦で移籍が『大吉』のベスト5」を発表しているが、そこでも坂元は1位に選ばれている。すなわち、今季ここまでで最も成功した移籍選手、というわけだ。

 しかしながら、プロ入り以前の坂元は、必ずしも高い評価を受ける選手ではなかった。

 中学時代はFC東京のアカデミー(育成組織)に所属したが、ユース(U-18)チームには昇格できず、高校サッカーの強豪、前橋育英高へ進学。その後、東洋大を経て、山形入りするのだが、大学卒業に際してJクラブからのオファーはなく、山形の練習参加にこぎつけたときも、「左サイドバックとしてなら」という程度の評価だったという。

 そんなキャリアの選手が、わずか1シーズンでJ2をクリアし、J1の、しかも上位クラブに引き抜かれ、今をときめく成長株として注目されるのだから、夢のあるサクセスストーリーである。