2020.09.21

青山敏弘「うちの若いの、すごいでしょ」。
若手を称賛も道を譲る気なし

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

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 移籍が日常のサッカー界において、ひとつのクラブにとどまり続けることは珍しい。

 とりわけ、海外移籍のハードルが下がった現在は、"チームの顔"と呼べるような選手にこそお声がかかりやすい傾向にあり、ひと昔前のように「ミスター〇〇」と呼ばれるような選手が生まれにくい状況にあるのは確かだろう。

サンフレッチェ広島の「バンディエラ」青山敏弘 今季のJ1の顔ぶれを見渡すと、在籍年数最長は1998年に鹿島アントラーズに加入した曽ヶ端準だ。在籍23年目を迎えた41歳のベテランは、若手の激しい突き上げがあるなか、今季もリーグ戦1試合に出場し、勝利に貢献している。

 フィールドプレーヤーで最長はガンバ大阪に20年在籍する遠藤保仁だが、横浜フリューゲルス、京都パープルサンガを経ての加入のため、ひとつのクラブというくくりには当てはまらない。純粋に生え抜きの条件下では、川崎フロンターレの中村憲剛と、柏レイソルの大谷秀和が18年で最長となる。いずれも"ミスター"の称号が当てはまるクラブの象徴である。

 次点に名を連ねるのは、サンフレッチェ広島の青山敏弘だ。こちらは、今年で在籍17年目を数える。広島と言えば、和幸&浩司の森崎ツインズが象徴的だが、青山もまたこのクラブのレジェンドと呼ばれる存在だろう。

 今季は新型コロナウイルスの影響による過密日程やレギュレーション変更によって、各クラブが積極的に若手を起用する傾向にある。広島も例外ではない。

 そもそも広島は、昨季から世代交代を推し進めており、GKの大迫敬介を筆頭に、森島司、荒木隼人と20代前半のタレントがスタメンに定着した。今季も浅野雄也、東俊希、藤井智也ら東京五輪世代の有望株が出場機会を増やしている。

 そんななか、今年で34歳となった青山敏弘は世代交代の波に抗いながら、変わらぬ存在感を示している。今季は、途中出場も含めれば全16試合にピッチに立っており、ケガでシーズン前半を棒に振った昨季の出場試合数をすでに上回っている。