迫力ある守備を見せるガンバ。就任3年目で築いた宮本流必勝パターン (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 特に目立つのは、タレント豊富なFW陣だ。宇佐美をはじめ、アデミウソン、パトリックは、いずれも単独で局面を打開できる力があり、誰をどう組み合わせても、相手にとっては脅威となる。

 これまで全試合先発出場の宇佐美を軸に、ふたりのブラジル人選手の他、小野裕二、渡邉千真と、多彩な面々が有効に使い分けられている。FWの駒の豊富さ、個人能力の高さでは、J1屈指だろう。

 とはいえ、話が少々矛盾するようだが、G大阪の戦いのベースはディフェンスにある。

 バランスよく守備ブロックを作りながらも、ここぞというタイミングでピッチ上の全員が連動してプレスに出る。一気にボールサイドに寄せ、相手の逃げ道を遮断する守備はかなりの迫力がある。

 相手ボールを囲い込み、奪ったボールを素早く前線につないで、強力FW陣がチャンスに結びつける。それこそが、G大阪の必勝パターンだと言っていい。実際、勝利した6試合はすべて1失点以下。失点を1点以下に抑えながらも勝ち点を取れなかったのは、川崎に0−1で敗れた1試合だけだ。

 個人能力に長けたFW陣が前線に居並ぶことで、対戦相手にしてみれば、安易に攻めには出られない。下手に前がかりになってバランスを崩せば、たちまちカウンターの餌食になってしまうからだ。つまりは、個性派ぞろいのFW陣も、結果として守備強化にひと役買っているわけである。

 今季新加入のDF昌子源がケガから復帰し、第9節から戦線に加わったことも大きい。昌子、三浦、DFキム・ヨングォンと、日韓代表クラスが並ぶDFラインは、個々の守備能力が高いというだけでなく、攻撃の起点になれるという点でも心強い。まずは守備から入って、堅守を攻撃につなげる戦い方が、さらに確かなものになっていくだろう。

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