2020.08.31

鹿島の「新黄金世代」誕生か。
新星カルテットは22年前を思い出させる

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

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 鹿島アントラーズの歴史を紐解けば、有望な高卒選手が複数加入した1998年がひとつのターニングポイントとなるだろう。

 小笠原満男(大船渡高)を筆頭に、本山雅志(東福岡高)、中田浩二(帝京高)、中村祥朗(奈良育英高)、山口武士(大津高)と高校サッカー界を沸かせたタレントを5人も獲得。さらにユースからGK曽ヶ端準を昇格させた。このうち、中村と山口をのぞく4人が後に主軸となり、黄金時代を形成することとなる。

ルーキーながら存在感を見せている18歳の染野唯月 あれから22年の月日が流れ、今年の鹿島には当時を想起させるような状況が生まれている。

 染野唯月(尚志高)、松村優太(静岡学園高)、荒木遼太郎(東福岡高)と超高校級の逸材たちを迎え入れ、ユースからはGK山田大樹を引き上げた。将来を見越した先行投資と思われたが、すでにこの4人はいずれもリーグデビューを果たし、十分な戦力として日増しに存在感を高めている。

 その背景には、新型コロナウイルスの影響による過密日程やレギュレーションの変更で、若手を登用しやすい状況があることは間違いないだろう。一方で内田篤人の引退に象徴されるように、今年の鹿島には大きな変革期が訪れていることも確かだ。

 ザーゴ監督を招聘し、他クラブから主力級を複数獲得。いわゆる生え抜きの選手が少なくなったなかで、自前の選手を育て上げることは重要なテーマのひとつとなっている。

 果たして、4人の新人たちはクラブの目論見どおりに成長を遂げ、新たな時代を築き上げることができるのか。その可能性を探るべく、柏レイソルとの一戦に赴いた。

 柏戦には4人のうち、染野がスタメンに名を連ね、荒木はベンチスタート。松村と山田のメンバー入りはならなかった。

 染野のプレーは高校2年生の時に、全国高校選手権で観て以来。優勝を成し遂げた青森山田高を相手に、ハットトリックを達成したあの試合である。

 それまでわずか1失点だった優勝候補から、2年生ストライカーが3得点もぶち込んだインパクトは強烈だった。結局PK戦の末に涙を飲み、3年生の時の選手権ではケガでメンバー外を余儀なくされたが、今年のルーキーの中では最注目選手のひとりである。