内田篤人、カメラの前で机に突っ伏す。「前半、やっちゃいました」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 選手や監督の声が、客席に吸収されることなく、跳ね返って冷たく響くだけ。得点後にはサポーターの声援がスピーカーから流されたが、残念ながらそれもむしろ虚しさが増すように感じられる......。そんな雰囲気で再開したJ1第2節。川崎フロンターレ対鹿島アントラーズの一戦は、2-1でホームの川崎が勝利した。

 川崎の先制点は2分、左のショートコーナーからの流れの中から谷口彰悟がフリーで押し込んだ。

川崎フロンターレ戦に先発、60分までプレーした内田篤人(鹿島アントラーズ)川崎フロンターレ戦に先発、60分までプレーした内田篤人(鹿島アントラーズ) 映像で見る限り、明らかなオフサイド。試合後、オンラインでのミックスゾーン取材に対応した谷口は「疑惑の.........」と苦笑い。鹿島のザーゴ監督は「明らかにオフサイド。(審判の)ミスから相手に流れが」と、恨み節を繰り返した。

 鹿島に盛り返して逆転するだけの力がなかったことも事実だが、再開初戦の早い時間帯でのイレギュラーな得点は、試合の流れを大きく決定づけた。

 長きに渡る中断期間はチームや選手に大きな影響を与えたが、必ずしもマイナスのものばかりではなかった。たとえば、この期間でコンディションを取り戻し、先発に返り咲いたのは鹿島の内田篤人だ。

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