群雄割拠の時代へ。Jベスト11に最も多くのクラブから選出された年は? (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Hiroki Watanabe/Getty Images

 2013年のベスト11にまつわるトピックは、それだけではない。

 最終的に上位6クラブが勝ち点5差にひしめいた大混戦を象徴するように、ベスト11の顔ぶれも多くのクラブに分散された。

◆2013年のベスト11
【GK】西川周作(広島)
【DF】那須大亮(浦和レッズ)、森重真人(FC東京)、中澤佑二(横浜FM)
【MF】中村俊輔(横浜FM)、山口蛍、柿谷曜一朗(以上、C大阪)、青山敏弘(広島)
【FW】大迫勇也(鹿島)、大久保嘉人(川崎F)、川又堅碁(アルビレックス新潟)

 その数、実に8クラブ。過去に7クラブからベスト11が選ばれたことは9回もあるが、8クラブからとなると、この2013年だけ。成績上位8クラブで11枠を分け合う形となった(Q3の答え=2013年)。

 さすがに2013年の例は極端だとしても、概ね似たような傾向はその後も続いた。

 2014年のベスト11には7クラブから選ばれ、うち外国人選手は2人。2015年は6クラブから、2016年は7クラブから、2017年は6クラブから選ばれ、外国人選手はいずれも1人だけにとどまった。

 2015、2016年には2ステージ制が採用された影響もあっただろうが、外国人選手も含め、際立った戦力を有するクラブがなくなり、各クラブがよくも悪くも平均化していった様子が、ベスト11からもうかがえる。

 2000年代終盤から2010年代は、外国人選手が小粒になっていった時代でもある。

 かつてのベスト11を見ると、外国人選手に与えられた3枠(現在は5人枠)を巡って、ハイレベルな争いが繰り広げられたものだが、この頃には、3枠が埋まらないことのほうが多くなった。

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