なぜMVPが優勝クラブ以外から
選ばれたか。Jリーグで意外と多いその理由
MVPに見るJリーグの歴史(1)
さて、いきなりだが、クイズをひとつ。
1993年の創設以来、今年で28年目を迎えたJリーグだが、過去の年間MVP受賞者のうち、そのシーズンの優勝クラブ以外から選ばれた選手は何人いるだろうか。
JリーグのMVPというと、1993年に行なわれた初めての授賞式(Jリーグアウォーズ)で、初代受賞者の三浦知良がド派手な赤のタキシードを身に着け、しかも、風船の中から登場する姿を思い出す人も多いだろう。
ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)を初代王者に導いたカズがそうであったように、MVPにふさわしい条件として、選手個人として優れたパフォーマンスを発揮することはもちろんだが、所属クラブの成績も重要な要素となる。
結果として、MVPの多くは優勝クラブから選ばれる。MVPが"シーズンの顔"であることを考えれば、当然の考え方だろう。
だとすると、優勝クラブ以外からMVPが選ばれることは少ないのではないかと思えるが、クイズの答えは、延べ9人。過去のMVP受賞者数は、延べ人数にして全27人だから、3年に1回は、優勝クラブ以外からMVPが誕生している計算になる。
個人的には、意外と多い、というのが率直な印象だ。
では、なぜ優勝クラブ以外からのMVPがこれほど多く生まれているのか。その理由は、かつてJリーグが、2ステージ制を採用していたからに他ならない。
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