佐藤寿人、38歳でプレーできる喜び。「それって幸せじゃないですか!」 (6ページ目)
今の佐藤には、ひとつのイメージがある。2012年、広島で初優勝を成し遂げた時のチームメイトである中島浩司の姿だ。
当時すでに35歳となっていた中島は、その前年にレギュラーとして活躍していたが、千葉和彦の加入によってポジションを失った。それでも常にコンディションを保ち、緊急事態に備えると、第17節のジュビロ磐田戦で途中出場から決勝ゴールをマーク。上位対決を演じていたライバル撃破の立役者となったのだ。
「あのゴールがなければ、その試合の勝利もなかったし、初優勝もなかった。1年を通して準備をし続けて、大事な場面で結果を残す。あの年のナカジさんには、プロとしてあるべき姿を見せてもらったと思っています。
ベテランがベテランとして、どうあるべきか。もちろん試合に出続けるベテランもいますけど、じゃあ、僕と同い年でそんな選手が何人いるかと。気づけば、めっちゃ減ったなと(笑)。
だから、たとえ出続けることができなくても、常に準備をして、必要な時に貢献する。2012年のナカジさんのような存在になれれば。今はそういう想いでやっています」
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