サガン鳥栖の「18歳」が面白い。インサイドハーフとしての才気を見た (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 世界的インサイドハーフと言えば、ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタがその筆頭だろうか。それに、オランダ代表のフレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)、ベルギー代表のケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)、元スペイン代表のダビド・シルバ(マンチェスター・シティ)が続く。

 自ら複数の敵を引き寄せ、周りを十全に生かす。自らがボールを失うのはもってのほかで、90分を通じ、抜きん出た技術が必要になる。

 現時点で、本田は未知数と言える。明らかなのは、基本技術の高さか。動きが機敏で、攻守の切り替えを間断なく行ない、スモールスペースでプレーを作れて、ボールを前に運ぶ推進力にも優れる。

 それらの点は、ルヴァンカップの札幌戦でも証明している。左インサイドハーフとしてボールを引き出し、運び、相手の出所を潰し、ポジション的優位を保ち、チームを稼働させていた。

 DFとMFの間へ鋭く入る動きは電流のようで、いくつもチャンスを作った。左サイドの選手だけでなく、周りの選手とのコンビネーションも巧みで、プレーを活性化させていた。0-3と敗れた試合だったが、最大の殊勲者だった。

「(札幌戦は)コンビネーションを使って、周りを輝かせることができていた。キャンプで成長を示してきたので、これからも見守っていきたい」(鳥栖・金監督)

 本田は、成長の途上にあるのだろう。開幕先発は手にしたが、プロの世界は容赦がない。今後も、一試合、一試合が試練となるはずだ。 

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