Jリーグ今季のトレンドを福田正博が考察。開幕戦から見えたものは? (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 開幕戦では今シーズンの審判の判定基準も表われていた。今季はインテンシティー(プレー強度)の高いプレーを増やしていくために、球際で激しく当たっても審判が笛を吹いて流れを止める回数が昨シーズンより少なくなっていくことが予想される。

 実際、開幕節では昨年までなら笛が鳴っていたような少し激しいチャージに対して、審判がファウルを取らないケースがあった。このため、前線からハイプレスを実行したチームが、ボールを奪ってゴールにつながるシーンが多く見られた。こうした判定基準のマイナーチェンジが、自陣からボールをつなぐスタイルのチームが苦戦した要因になったと考えている。

 コンサドーレ札幌は柏レイソルに敗れ、川崎フロンターレはサガン鳥栖に引き分け。横浜FMはG大阪に敗戦。ヴィッセル神戸も横浜FCと引き分けている。

 前線からハイプレスを仕掛けた場合のリターンが昨シーズンよりもあると考えれば、DFラインからボールを回しながらビルドアップしていくチームに対して、積極的にプレスを仕掛けてくるチームが増える可能性が高い。

 横浜FMのようにボール保持率の高いチームは、DFや守備的MFがボールを持ったところをさらに狙われるようになるだろう。ただし、そこでミスをすれば失点に直結する反面、攻守表裏一体なのがサッカーの醍醐味で、プレッシングを剥がすことができれば広大なスペースがあるため得点のチャンスが一気に高まる。

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