VAR導入で今季Jリーグに起こること。デメリットをプラスにできるか (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 1試合に何度か訪れそうな、このサッカー的ではない間とどう向き合うかを考えた時、"頑張らなければならない"のは映像だ。判定の微妙さを映像でどのように可視化して伝えるか。

 欧州のチャンピオンズリーグなどでは、各プレーを3Dで立体的に解析している。360度、いろいろな角度から問題のシーンを検視するシステムが構築されている。一方、Jリーグがこれから導入しようとしているのは2Dだ。欧州サッカー観戦を通して3D映像を見慣れているファンには、かなり物足りないものとして映るはず。映像技術が発達した現在、訴求力は弱いものになる。

 なぜ3Dにできなかったのか。先日、日本サッカー協会で行なわれた審判説明会「JFA Media Conference on Refereeing 2020」でも話題になった。ザックリと言えば、そのシステムを構築する資金が足りないということだった。解析システムが精巧でなければ、つまり、見て面白いものでなければ、サッカー文化として浸透してきた"必要悪"に対しても申し訳がたたない。3D化は可能な限り迅速に導入すべきだと思う。

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