2020.01.06

青森山田は「やり抜く力」が段違い。
18年ぶりの選手権連覇へひた走る

  • 鈴木智之●取材・文 text by Suzuki Tomoyuki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 数年前にベストセラーになったビジネス書に「GRIT~やり抜く力」というものがある。GRITとは副題にあるとおり「やり抜く力」のことで、要約すると、粘り強く困難に立ち向かうこと、自発的に取り組むこと、物事に集中し続ける能力などを言う。

浦川流輝亜の先制ゴールを皮切りに、前半で勝負を決めた青森山田 高校サッカー選手権大会でベスト4に進んだ青森山田高校の選手たちを見ると、この「GRIT」に長けているように見える。

 サッカースタイルは、攻撃時は4-2-3-1、守備時は4-4-2システムをベースに、オーソドックスな戦いを志向するが、守備では2トップが献身的にボールを追い、サイドハーフは上下動をいとわずに、逆サイドにボールがあるときは、必ず最終ラインに戻る。センターバックは常にマークすべきFWを自由にさせず、相手の足元にボールが入れば素早く寄せ、プレーが終われば最終ラインを再構築する。

 攻撃では、浦和レッズ加入内定のMF武田英寿、横浜FC加入内定のMF古宿理久を筆頭に、長くて正確なボールをサイドに散らしてスペースを使い、パスを出したあとは足を止めずに動き続ける。これらはすべて、サッカーにおいて基本的なことだが、相手があるスポーツゆえに、基本に忠実なプレーをし続けるのは難しい。

 だが青森山田の選手たちは、誰もが基本的なことを当たり前に、試合を通してやり続ける。まさに、GRITである。

 昨年は1年生ながら選手権で優勝を経験し、今年も最終ラインで奮闘する、U-17日本代表DF藤原優大は「今年のチームは誰も、絶対にサボりません。足がつるまで走って、やり切ったところで交代してくれます。全員がそれをやれるチームだからこそ、勝てているんだと思います」と胸を張る。

 黒田剛監督はサボらず徹底する部分について「日頃のトレーニングや日常生活から、(甘さを)許さずに積み上げてきた」と話し、こう続ける。