2019.12.30

野菜も育てる高川学園サッカー部。
令和の部活動のスタンダードになるか

  • 森田将義●取材・文 text by Morita Masayoshi
  • photo by Morita Masayoshi

 サッカー部がいちばん注目される選手権では、ひとりでも多くの生徒に応援に来てもらおうと、オリジナルのポスターを作成。会場では、登録メンバーの特徴を記した写真入りのマッチデープログラムも配る。

『広報部』がつくった新聞や、マッチデープログラム『広報部』がつくった新聞や、マッチデープログラム  少しでも多くの人に楽しんでもらおうとしているのが特徴で、DF松村太陽(3年)は「同級生からタカサカ見たよって声を掛けてもらえるのがうれしい。どうしたら目に留めてもらえるか考えたりする経験は、将来に生きる」と口にする。

 部署活動の外交役を担うのが、『おもてなし部』だ。サッカー部に来客があった際には、メニューから選んでもらった飲み物を提供し、歓迎をする。多くの人が訪れる試合の際は、立って試合を観戦する人に椅子を差し出す。また、遠方から遠征に訪れたチームが学校に泊まる際には、おもてなし部が主体となって選手が教室などに布団の準備をする。食事の際も10分前にはスタンバイし、配膳の準備をしているという。

「高川学園に来てよかったなと思われるようなおもてなしをしたい。チームの顔となる部署なので、相応しい発言や行動を心掛けている。目配り、気配り、心配り、言葉配りというのを意識している」と話すのはリーダーのFW土田佑也(3年)。

「社会に出た時に絶対役立つ部署だと思い、おもてなし部を選んだ。僕はサッカーが上手じゃない。レギュラーが獲れない分、おもてなし部の部長として頑張っている」と続ける。来年度からは、より本格的に部署活動の資金集めを行なう部署や、OB会と連動してサッカースクールを手伝う部署も発足する予定だ。

「ほかの学校とは違う活動を行なうことで、人間的に成長できる。マネしてくれる高校も増えているのでやっていてよかった」。そう話すのは、キャプテンで全体の部署を統括する総務のリーダーを務めるMF内田裕也(3年)だ。

 高川学園の部署活動に感銘を受けるチームは多く、龍谷高(佐賀)や宜野湾高(沖縄)、岡山学芸館高(岡山)も今年から同様の活動を始めた。

 高川学園高校サッカー部の活動によって、選手はたしかな成長を遂げている。高川学園発の新たな取り組みは、令和の部活動における新たなスタンダードになるかもしれない。

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