2019.12.30

野菜も育てる高川学園サッカー部。
令和の部活動のスタンダードになるか

  • 森田将義●取材・文 text by Morita Masayoshi
  • photo by Morita Masayoshi

 近年の高校サッカーはBチーム以下も、リーグ戦に参加できるようになったため、100人以上の部員を抱える大所帯のチームが増えている。

全国高校サッカー選手権に2年ぶり25回目の出場をする高川学園(写真提供:高川学園高校) 今年の全国高校サッカー選手権出場校を見れば、半数を超える28校がそうしたマンモスチームだ。選手権を狙える各県の強豪ともなれば指導の質が高く、練習環境が整っており、一極集中化は自然な流れかもしれない。

 一方で、華々しいスポットライトを浴びる選手はごく一部だ。強豪校に所属しながらもAチームでプレーできず、満足の行かないまま卒業していく選手も少なくない。

 そうした問題を解決すべく、今回選手権に出場する、山口県の高川学園高校が行なっているのが『部署活動』という制度だ。取り組みは江本孝監督が、部員が主体になって試合の分析などを行う、筑波大学のパフォーマンス局という仕組みに興味を持ったことから始まった。

 当時ユニバーシアード代表で筑波大のチームメイトが多かった高川学園OBのGK永石拓海(現・レノファ山口FC)に選手主体の運用方法を聞いてもらったうえで、一昨年の9月から部署活動がスタートした。

 高川学園の取り組みは、本家同様に試合の分析をする『分析部』や、選手主体となって行なう朝練のメニューを決める『強化部』といった、サッカーに直接関わる部署だけにとどまらない。

「ただマネするのでは面白くない。サッカーだけでなく、地域に根差した活動も行ないたい」(江本監督)と、近隣農家のお手伝いをしながら、グラウンド脇で野菜を育てる『農業部』も設立。当時のキャプテンの発案で、部への来客者に応対する『おもてなし部』も発足させた。

 狙いについて江本監督はこう明かす。