トーレスが語る日本サッカー。
Jリーグでお気に入りの日本人選手は?

  • 井川洋一●構成・文 text by Igawa Yoichi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

「日本にもよい選手はたくさんいる。ものすごいポテンシャルを感じさせる若者も目にしてきた。ただ、それをしっかり伸ばせているかといえば、そうではないと思ってしまう場面もあった。

 フットボールを好きになり、ボールを蹴り始め、プロの選手になりたいと夢を持つ少年たちには、正しいことを教えなければならない。それはトレーニングだけではなく、生活や行動など、多岐にわたる。実際、僕は日本でプロになった若手をたくさん観てきたけれど、なかにはまだまだ子どものようなメンタリティーの選手がいる。これは変えなければならないことのひとつだと思う。

 フットボールはエンターテイメントというよりも、コンペティションだと理解する必要がある。日本のフットボールをさらに向上させていくには、こうしたメンタリティーをなるべく早く変えたほうがいい」

自らプレーしたJリーグについての印象を語るフェルナンド・トーレス自らプレーしたJリーグについての印象を語るフェルナンド・トーレス またJリーグについても、正直な印象をこう述べた。

「選手の能力をチームの力にできていないチームがあると思う。よい選手が何人かいたとしても、チームとして機能していなければ、トップチームにはなれない。あるいは、そのようなチームでも1度くらいは優勝できるかもしれないけれど、次のシーズンに降格してしまったりする。それは実際に日本で起きてきたことだよね。

 フットボールでカギとなるのは継続性だ。これはすごく大事なことなんだ。たとえ能力が劣るチームでも、団結力と継続性があれば、リーグ優勝だって不可能ではないからね」

(つづく)

フェルナンド・トーレス
Fernando Torres/1984年3月20日生まれ。スペイン・マドリード州出身。数々のビッグクラブでプレーし、スペイン代表での多くのタイトルを獲得したFW。2018年7月にサガン鳥栖への移籍を発表し、Jリーグでプレー。2019年8月に現役を引退した。アトレティコ・マドリード→リバプール→チェルシー→ミラン→アトレティコ・マドリード→サガン鳥栖。

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