2019.11.06

4トップにもなる超攻撃的戦術。
Jリーガー多数輩出の名門大が2冠

  • 小室 功●取材・文 text by Komuro Isao
  • photo by Komuro Isao

 他の追随を許さなかった。

 93回を数える関東大学サッカーリーグ1部を制したのは、伝統校の明治大学だった。最終節まで3試合を残し、早々に3年ぶり5回目のリーグ制覇を成し遂げた。

関東大学サッカーリーグで優勝した、明治大学「サッカー部の創部から98年になりますが、また新たな歴史を刻むことができて大変うれしく思います。リーグ戦は1年間の自分たちの積み重ねだったり、チャレンジし続けたことの結果。それが最高の形で出て、本当によかったです」と、明治大の栗田大輔監督は目を細めている。

 明治大といえば、1968年のメキシコオリンピック、サッカーの銅メダリストのひとりである杉山隆一氏をはじめ、木村和司氏(サッカー解説者)や江尻篤彦氏(ジェフユナイテッド千葉監督)、近年では長友佑都(ガラタサライ)や山田大記(ジュビロ磐田)、和泉竜司(名古屋グランパス)、室屋成(FC東京)など、日本代表選手やJリーガーを数多く輩出してきた名門中の名門だ。

 2015年からチームの指揮を執る栗田監督もまた明治大OBで、プロ選手としてのキャリアはないものの、卓越した指導力に定評がある。監督就任以来、数々のタイトルを手中にしてきた大学サッカー界きっての名将なのだ。

 夏に開催される総理大臣杯では、前人未到の5年連続決勝進出(つまり、監督として毎年、決勝の舞台にチームを導いた)。そのうち2016年、2018年に続き、今年も優勝を飾っている。話が重複するが、明治大は2016年に総理大臣杯と関東大学リーグの2冠を達成しているので、今回は3年ぶりの”2冠再び”というわけだ。

 まさに我が世の春を謳歌する明治大サッカーだが、特徴は両アウトサイドにある。スタートポジションを高く設定し、試合中の見え方によっては”2トップ+両アウトサイド”で4トップと言ってもおかしくない。

 前線に人数を割く分、どうしても背後が空きやすくなるので、リスキーな面は否めない。だが、それでもなお、こうした大胆な布陣に挑み続ける、その狙いとは一体何だろうか。栗田監督は「前からのプレッシングに、どう連動していくか。そこを徹底的にトレーニングしている」と語り、こう続けた。