2019.10.31

小野伸二は沖縄でジーコになるか。
FC琉球会長が語るビッグな近未来

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

 沖縄デビュー戦で圧倒的な注目度を示した小野だったが、一方で、古傷の痛みや体力面(9月27日で40歳)を考えると、現役選手としてどこまでできるのかを心配する声もあった。

 しかし、ピッチに立てば世界基準の技術は衰え知らずだ。ただ、4試合を残すタイミングで、右腓腹筋肉離れ(全治約4週間)が発表された。それでも、FC琉球に欠かせない存在なのは間違いない。

 樋口靖洋監督は小野の影響力についてこう語る。

「技術や戦術眼については、疑いの余地はありません。伸二はあれだけ実績ある選手にもかかわらず、自分から積極的に若い選手に『一緒にリフティングやろうぜ』みたいに話しかけて、打ち解けやすい雰囲気を作ってくれています。試合でも周りを生かすプレーに徹しています。自分のタイミングでプレーすることは上手でも、相手のタイミングに合わせることのできる選手は少ない。しかも伸二の場合、ひとつひとつの技術が世界基準です。FC琉球にいる選手にとってはものすごく大きな財産になるので、とくに若い選手には、もっと貪欲に学んでほしいと思います」

 10月11日、那覇市内で「美ら島スタジアム~J1規格スタジアムの早期実現に向けて~」と題したシンポジウムが開催された。

 Jリーグ関係者や有識者による講演で、国内のスタジアム整備の進捗などが報告されるなか、翌日にホームで東京ヴェルディ戦を控えた小野もパネルディスカッションに登壇した。

 小野はオランダ・フェイエノールト時代のスタジアムを例に挙げ、スタジアム建設が地域にもたらす効果について話し、「僕たち選手は、J2ではなくて、J1に定着できるようなチーム作りをしなければいけない。僕も、もう40歳なので、(J1規格の)スタジアム建設はできるだけ早く進めていただけるとうれしいです」と訴えると、会場は大きな歓声と拍手に包まれた。

 小野には一選手という立場を超えて、クラブの顔として地域をひとつにまとめる力がある。シンポジウムに参加してあらためて、影響力の大きさを実感した。