永井秀樹の考えをポルトガル語で「超訳」。再建を支える異色のコーチ (3ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

 菅原はまさに「縁の下の力持ち」だ。インタビュー時に初めて挨拶を交わした時も、「取材をしていただき、ありがとうございます」と丁寧に挨拶をし、両手で名刺を渡してくれた。一般社会では当たり前の名刺交換も、スポーツ取材の現場では一方通行が大半で、選手やコーチから名刺を頂戴することは稀だ。

取材の現場でジャイルトン・パライバの通訳をする菅原智コーチ取材の現場でジャイルトン・パライバの通訳をする菅原智コーチ そんな一般人の感覚や気遣いのできる人柄が、目に見えない所で大きな力となり永井を支えているはずだ。

「永井さんはサッカーに対する情熱はもちろん、チームや選手に対しても強い愛情を持っています。芯がしっかりしていて、妥協せず、考え方もブレない。求めることもはっきりしているので、コーチも選手も信じてついていこうと思える。一緒に仕事をしている中で気づかされ、多くを学ぶことができています。

 シーズン中に、一からチームを作ることはものすごく難しい。シーズン前から始めたとしても、やりたいサッカー、色、フィロソフィーをチーム全員に落とし込み、そのサッカーを構築する作業は、並大抵のことではない。だからこそ、チームがファミリーとなり、理解を深め合いながら同じ道を歩むべきだと思いますし、永井さんが、その方向性を示し、緊張感がある中でもいい雰囲気を作っていることは、本当にすごいなと思います」

 永井は仲間たちからの厚い信頼を得て、「ヴェルディ再建」に突き進んでいる。

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