黄金世代の炎のストライカーが引退。播戸竜二が印象に残るゴールは? (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by kyodo news

 播戸はJ1では325試合に出場し、87ゴールを挙げている。J3までの通算では396試合109ゴールである。日本代表では7試合出場2ゴールだ。クラブは最初のガンバ大阪から7チーム、渡り歩いた。

 21年間で最も印象に残るゴールは何になるのだろうか。

「08年天皇杯決勝(柏レイソル戦)での決勝ゴールやね。延長戦の後半から出て、気持ちがすごく入っていたし、タイトルをもたらす貴重なゴールになったんで。チームのために、サポーターのために決めることができたんで、いちばんのゴールやと思う。個人的なゴールで言えば01年函館でのガンバ戦で決めたボレーシュートやね。ガンバで活躍したいけどできんかった。それで札幌に移籍してガンバから奪った最初のゴールだった。もうめちゃメラメラしていたし、自分にとって特別な意味のあるゴールやった」

 ガンバには98年-99年、06年-09年に在籍した。

 ファンの印象に残っているのは06年から西野朗監督の下でプレーした4年間だろう。11番を背負い、06年にはキャリアのセカンドベストとなる16ゴールを挙げている。

「ガンバでは天皇杯、ナビスコ杯とか優勝したけど、いちばん思い出深いのはクラブワールドカップ(08年)やね。アジアでチャンピオンになって世界のクラブの大会に出るのってクラブとしても個人としても初めての経験やった。俺は海外(のリーグ)に行けへんかったし、W杯にも出られへんかったけど、クラブで世界と戦うことができた。7万人の日産スタジアムで当時、クリスティアーノ・ロナウドやスコールズ、ルーニー、テべス、ギグスがおった最強のマンチェスター・ユナイテッドを相手に、負けたけどガンバらしい試合をやれたのはすごく心に残っている」

 播戸は感覚的なストライカーとして捉えられていたが、じつは非常に研究熱心な選手だった。現役時代はオフには必ず海外に行き、欧州サッカーに触れ、刺激を得ていた。

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