2019.08.28

戦力が整った神戸。イニエスタ同様、
フェルマーレンも高度なプレー連発

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 GK飯倉大樹(←横浜F・マリノス)、FW藤本憲明(←大分トリニータ)、DF酒井(←ハンブルガー)など、ここ最近の神戸の補強ぶりは猛々しい。

 とりわけ、フェルマーレンの存在は群を抜いている。左利きのセンターバックとしてはJリーグ史上最高のレベルにある。ケガに悩まされながらも、バルサが手放さなかった理由がわかる。とにかく物事を複雑化しない。ぽんぽんとボールをさばいているだけに見えるかもしれないが、判断力とキックの質の高さは突出。球離れが早いだけに、味方に猶予を与え、次のプレーで先手を取れるのだ。

「フェルマーレンは、パススピードとかがめちゃめちゃ速いです。その分、受け手は余裕を持てる。難しいことをするよりも、どんどんパスをつける感じで、ポジション取りもいいから、練習試合とかでやると、かなりやりやすいですね。『ディフェンダーはシンプルにプレーするのが大切』と自分にも言っていて、とても共感できます」(神戸・渡部博文)

 フェルマーレンは鳥栖戦でも、世界トップレベルのディフェンダーとしての深遠を見せている。73分、左サイドでボールを持つと、左足で一気に右にいた西へサイドチェンジのパス。これが山口、古橋と渡って5点目になった。フェルマーレンのパスは、相手をスライドさせつつ逆サイドにボールを運び、裏を突き、一瞬にしてプレスを無力化していた。戦術的にも、技術的にも非常に高度だった。

 フェルマーレンはセンターバックとして、まさに模範的なプレーをする。真に優れた守備者は極めて静謐(せいひつ)だ。

「6点を取ったことは満足だが、それ以上にすばらしい形を作り出せた。一番印象に残ったゴールは3点目だろうか。自陣の左サイドにいたイニエスタが右サイドを走る古橋を見つけ、ボレーでパスを送ったシーンだ。今後、攻撃はさらに改善するだろう。サンペール、山口の2人はそれほど攻撃的ではないし、ウィングもいない。でも、ハングリーさを保ちながら、いいプレーを続けている」(トルステン・フィンク監督)