川崎フロンターレ3連覇に黄信号。リーグ最多のドロー数が影を落とす (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「自分たちのミスで2失点目。そうなれば、相手はフルパワーで守ってくる。もったいないゲームだった」

 そう言って嘆くのは、MF中村憲剛。鬼木監督同様、「失点の仕方」を課題に挙げ、こう語る。

「(先制したあとに)追加点のチャンスがありながら取れないときでも、今までなら失点しなかった。(2-2で引き分けた)前節のベガルタ仙台戦もそうだが、(試合の)流れと関係ないところで失点して、向こうのリズムにしてしまっている」

 昨季を振り返れば、川崎はJ1最多となる総得点57(1試合平均1.67)を記録する一方で、総失点27(同0.79)もJ1最少だった。

 ところが、今季は第24節終了時点で、総得点37(同1.54)、総失点22(同0.91)。J1連覇中の川崎に対する警戒が強まるなか、ある程度の得点減は仕方がないとしても、失点増が気になるところだ。

 川崎は今季ここまで、11試合の引き分けがあるが、これはJ1最多。と同時に、敗戦は首位のFC東京(5試合)を下回る3試合しかないことを考えると、"勝ち切れない試合"が昨季王者の足を引っ張っているのは明らかだ。


 11試合もある引き分けのうち、スコアレスドローは3試合に過ぎず、点を取っているのに勝てない試合がほとんど。とくに最近は失点増の傾向が顕著で、勝利に見放されている最近5試合の総失点は10を数える。

 とはいえ、一時は1-2と逆転されながら、なりふり構わず逃げ切りを図る清水の守りをこじ開け、同点に追いつくあたりは、さすが川崎。余計な失点が多いとも言えるし、よく追いついたとも言える試合は、だからこそ、「引き分けという結果が一番(評価するのが)難しい」と中村。明確な課題が見えにくくなり、勝ち切れない試合が続く要因となっているのかもしれない。

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