東京五輪のエースFWと呼ばれた男が
J2で躍進する水戸で密かに奮闘中 (3ページ目)
厳しい言葉を口にする伊野波だが、しかし、若手がJ2で研鑽を積むことの重要性を感じているひとりでもある。
「J1の外国人選手枠が広がったことで、経験豊富な選手がJ2に来るようになった。その分、J2のレベルは技術的にも戦術的にも上がっている。(小川のような)若い選手にとって、J2の場は重要だと思う」
小川自身は、ここまで出場5試合で3得点と上々の結果を残しているが、その間のチーム成績は1勝1敗3分け。「僕が入ってあまり勝ててない」のは事実だ。
だが、水戸の長谷部茂利監督が、「開幕から(12試合)負けなしでこられたのは、今日(横浜FC戦)のような粘り強い守備で失点が少なかったから。(最近は失点が多かったが)今日はもう一回、それを再現できた」と語っているように、チーム状態は上向き始めている。
スタートダッシュの原動力となった堅守に、小川が得点力を加えることができれば、J1昇格争いを引っ張ってきた水戸が、再び勢いを加速させる可能性は十分にある。
東京五輪世代のエースストライカーと期待された男の成長が、水戸の再加速のカギを握っている。
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