2019.08.12

J2首位快走。柏レイソルには
「反則級」のFWが君臨する

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

「この順位や戦力を考えれば無謀だと思われるかもしれませんが、できるだけ相手の陣地でプレッシャーをかけて、ボールを取り返してハーフコートゲームをやりたいと思っていました」

 レノファ山口FCの霜田正浩監督は、やや憔悴した様子で試合を振り返った。

ハットトリックを決めたケニア代表のFWオルンガ J2リーグ14位の山口が、8連勝中で首位の柏レイソルに臨んだ一戦。両者の実力差を考えれば、自陣を固めて、カウンターに活路を見出す戦いが正攻法だろう。

 それでも、攻撃スタイルを貫く山口はあくまで真っ向勝負で柏にぶつかり、あえなく玉砕した。個の力を見せつけられて4失点。その意味では無謀だったかもしれない。

 それでもクリアに逃げず、パスをつなぎ、相手陣内に人数をかけて攻め込む機会も多かった。65分には左サイドを崩し、逆サイドから走り込んできた石田崚真が一矢を報いている。

 結果こそ1−4の大敗だったが、高い志(こころざし)を備えて首位チームに挑んだ山口の戦いぶりは、称えられるべきだろう。

「得点チャンスは数多く作れた。あとはそれを決めて、1−4のゲームを4−4、あるいは5−4で終わらせられる。そんなチームにしていきたい」

 そう語る霜田監督には、たしかな手応えを感じられる試合だったに違いない。

 とはいえ、やはりと言うべきか。山口に勝算はなかったように思われる。それほどまで柏の強さは群を抜いていた。これで連勝は9に伸び、しかも直近の3試合はいずれも4ゴール以上を奪っての圧勝である。勝ち点を55に伸ばし、2位の京都サンガF.C.に4ポイント差をつけ、独走態勢を築きつつある。

 開幕当初はややつまずいたが、第19節の千葉ダービーに快勝を収めると、一気にギアを上げ、連勝街道をひた走る。

 好転の要因は、得点力の向上に尽きるだろう。勝てなかった時期は、攻め込みながらもゴールを奪えないもどかしい戦いが続いていたが、ここへきてチャンスを確実にゴールに結びつける決定力が備わってきた。