サッカーユース年代が急激に進化!
名古屋U-18の完勝が証明している

  • 後藤健生●取材・文 text by Goto Takeo
  • 木鋪虎雄●写真 photo by Kishiku Torao

 第43回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会で、名古屋グランパスU-18が優勝を飾った。グループステージから7試合で6勝1分、得点18失点4というのだから、「完勝」と言っていいだろう。

酷暑の中、攻撃的で魅力的なサッカーを見せた名古屋グランパスU-18酷暑の中、攻撃的で魅力的なサッカーを見せた名古屋グランパスU-18 数字からもわかるように、まさに攻撃的で魅力的なチームだった。

 右の石田凌太郎、左の新玉瑛硫と両サイドバックはともに超攻撃的。とくに、右サイドでは右サイドハーフの石谷光基とのコンビネーションで何度も相手を引きはがしていた。

 FWもフィジカルの強さとスピードが武器の武内翠寿と、小柄ながらドリブルのうまい榊原杏太とタイプの違うツートップが躍動。そして、大会を通じて6ゴール(決勝戦で2ゴール)を決めて得点王となった倍井謙は右足の強力なキックが武器で、左サイドハーフの位置から中に切れ込んでシュートを狙ってくる。

 つまり、どこからでも点が取れるチームで、得点の形もじつに多彩だった。

 圧巻は京都サンガF.C.U-18に圧勝した準決勝。前半はCKからの1点のみで1-1だったものの、後半は開始2分、3分で連続ゴールを奪って、終わってみれば5-1。

 サガン鳥栖との決勝は3-1のスコアだったが、前半13分までに2点を奪って優位にゲームを進め、シュート数では26本対11本と圧倒した。

 開始わずか1分45秒で右サイドを石谷がドリブルで切り崩し、倍井が豪快に決めて先制すると、13分には相手のGKとDFのパス交換を榊原がカットして2点目。その後、攻撃はやや自重気味で32分に倍井が自身の2点目を決めただけで前半は3-0で終了。

 後半に入ると、強引に前に出てきた鳥栖に1点を奪われて追い上げられ、カウンタ―から何度も決定機をつかみながらも4点目が奪えず、やや苦戦した印象だった。

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