2019.07.15

首位FC東京のお尻に火がついた。
「脇役」たちが証明した川崎の強さ

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 FC東京にとっては、お尻に火がついたという表現がピタリとはまる敗戦だった。FC東京はなにより終わり方が悪かった。0-3とされてもなお、川崎フロンターレに何度か決定的なチャンスを作られた。0-5になっていても不思議ではない、完敗というより大敗だった。

 第18節を終了して、2位横浜F・マリノスに勝ち点6の差をつけていたFC東京。しかし今節を経て、その差は3に縮んだ。3位川崎(勝ち点4差)、4位鹿島アントラーズ(勝ち点5差)の両実力派チームは、消化試合が1試合少ないため、後続は、現状の勝ち点以上に接近の度を深めている。

 さらにFC東京は、ホームの味の素スタジアムがラグビーW杯の会場として使用されるため、8月下旬から8試合連続でアウェー戦が続く。それまでに2位以下との差をどこまで広げておくことができるか。Jリーグの優勝の行方を占う当面の焦点はこれになる。そうした意味でも、この川崎戦は注目されたカードだった。

 スタメン表をパッと見て心配になったのは川崎の方だった。中盤で大将役を務める大島僚太が欠場。昨季の年間最優秀選手、家長昭博もスタメンから外れていた。一方、ホームで迎え撃つFC東京はほぼベストメンバーだ。

FC東京戦で先制ゴールを奪った小林悠(川崎フロンターレ) 試合が動いたのは前半20分。大島に代わり出場した下田北斗が蹴った左CKを、小林悠がヘディングで叩いた先制ゴールだ。その5分前にも、川崎は右CKからジェジエウがクロスバー直撃のヘディングシュートを放っていた。FC東京の劣勢は、この一撃でいっそう鮮明になった。

 小林に奪われたゴールは自軍サポーター席の目の前。ホーム「味スタ」のスタンドはほぼ満員。6月15日に行なわれたヴィッセル神戸戦を上回る、今季最多の観客で埋まっていた。

 そうしたなか、FC東京は例によって受けて立った。王者らしい戦い方と言えばそれまでだが、前半の前半で先制点を奪われてしまうと話は変わってくる。前に打って出て行かないと格好がつかなくなる。というわけで、反撃を試みようと重心を前に掛けようとした。慣れないサッカーで川崎に対抗しようとした。