スペインで奮闘。日本フットサルに新風を吹き込む22歳のストライカー (3ページ目)

  • 河合 拓●取材・文 text by Kawai Taku
  • photo by Kawai Taku

 清水の所属するエルポソ・ムルシアのトップチームは、2018-19シーズンのLNFSでは、レギュラーシーズンの上位8チームが進出できるプレーオフを勝ち上がり決勝に進出。バルセロナ・ラッサに敗れて惜しくも準優勝となった。エルポソのサテライトチームであるエルポソB(2部リーグに所属)で主にプレーしていた清水だが、プレーオフ進出決定後の2試合ではトップチームの一員としてLNFSの舞台でもプレーした。この両チーム間では、どの程度の実力差があるのか。

清水の昨シーズンは2部リーグで17得点。1部の試合にも出場した photo by Zama Kenji清水の昨シーズンは2部リーグで17得点。1部の試合にも出場した photo by Zama Kenji

「現役のブラジル代表FPピト(2019-20シーズンはインテル・モビスタへ移籍)やスペイン代表FPミゲリンら、エルポソのトップチームには世界的なスター選手が集っています。それに対してエルポソBは、22歳の僕がチーム最年長で、他の選手たちは世界各国、またスペイン各地から集められた将来有望の選手たちです。もともとエルポソは下部組織の育成力に定評があり、昨季はU-18から下のカテゴリーすべてがスペインの全国大会を制したんですよ」

 清水はエルポソBでエースストライカーとして活躍し、シーズン17得点を記録した。エルポソBの試合の見どころのひとつとして、清水vs他クラブのフィクソ(DF)という構図ができており、スペイン国内でも知られる存在になってきた。それでも、1部リーグの試合に出た時は、まだまだ差を感じたという。

「スペインのフィクソ(DF)は、基本的にボールを(自分の足元に)収めさせてくれます。2部のレベルでは、そこから反転してシュートまで持ち込むことができたのですが、1部のフィクソを背負った時は、反転できないことが多かったですね。ボールを収めた後、どんどん選択肢を消されて後ろに戻すしかなくなるんです。でも、ボールを返すとフィクソにとっては怖くない。1部のフィクソを相手に、どうやったら違いを出せるかは、もうちょっと経験を積まないと厳しいなと感じました」

※フットサルのポジション GKはゴレイロ、FP(フィールドプレーヤー)は、DF=フィクソ、MF=アラ、FW=ピヴォ。

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