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J1優勝争い&残留争い展望。カギは主力移籍の影響を最小限にすること (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 また、20歳の田中碧をはじめ、25歳の長谷川竜也、24歳の脇坂泰斗といった若い選手たちが力を伸ばしており、中村憲剛、大島僚太、守田英正といった主力の代わりに出場しても見劣りしなくなってきている。

 最終ラインでは、奈良竜樹が故障離脱した穴を埋めて余りある安定感をジェジエウがもたらしている。不安要素は右SBくらいだろう。シーズン序盤は馬渡和彰やマギーニョを起用していたが、最近は本職が左SBの車屋紳太郎を起用している。そこがハマれば万全と言えるだろう。

 前半戦を3位で折り返して、第18節終了時点で2位の横浜FMは、優勝ということに限ってみればやや難しいのかもしれない。彼らのハイライン・ハイプレスのスタイルは非常に興味深いのだが「大勝するけれど、大敗もする」波の大きさが気になってしまう。昨年より波は小さくなっているものの、この先安定して勝ち点を積み重ねていくのか注視したい。

 また、鹿島アントラーズは、リーグ戦で上位争いに加わるだけでなく、ACLでも準々決勝に進出し、今季も強さを発揮している。7月になって安部裕葵、安西幸輝が、それぞれバルセロナB、ポルティモネンセに移籍する影響がどうなるか気になるところだ。

 健闘が光っているのは大分トリニータだ。相手を引き込んでおいてから、前線でのコンビネーションで得点を奪うスタイルで5位につけている。J2から昇格したばかりのチームの無欲な姿勢が、いい方向に出ている。後半戦も好調をキープして優勝争いやACL圏内が見えたとしても、片野坂知宏監督のもとでブレずに戦い続けるはずだ。全員守備・全員攻撃の粘り強いサッカーを継続していけば、大崩れすることはないのではないか。

 一方、残留争いは今シーズンも勝ち点30後半くらいで決まりそうな混戦の気配が漂っている。

 前半戦を10位で折り返したベガルタ仙台は、後半戦は順位を上げていく可能性がある。GKシュミット・ダニエルがシント・トロイデン(ベルギー)への移籍が決まった影響はあるだろうが、新たに獲得したポーランド代表経験のあるGKヤクブスウォビィクがハマれば、勝ち点を積み上げる原動力になるのではないか。

 前半戦低迷したガンバ大阪は、上向きになると見ている。もともと試合内容が悪いわけではなかった。得点チャンスを決めきれずに苦しんだが、前半戦最後の第17節でファン・ウィジョが2ゴールと復調傾向にある。さらに、攻撃陣は宇佐美貴史が復帰したことで厚みが増した。食野亮太郎ら若い力も伸びてきているので、後半戦は勝ち点を積み上げると予想している。

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