スタジアムに足を運ぶ幸せを届けたい!ガンバ大阪が試みる集客戦略 (5ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa

「たくさんのお客様に来ていただきたいのは山々ですが、かといって、私たちは目的なしにチケットを無料配布することはしていません。ファンクラブへの入会特典やホームタウン応援デー、あるいはスポンサーの権利としての無料招待はしていますが、それ以外はすべてチケットを購入してご来場いただいています。

 それは、プロサッカー選手がプレーする試合の価値を維持したいという思いもあってのことです。昨年のJ1リーグにおける入場者ランキングはJ1クラブ中6位だったのに対し、入場料収入が2位だったことにもそのことは証明されていると思います。

 であればこそ、お金を払って来ていただく方に最大限の楽しさを感じていただくものを私たちは提供しなければいけません。と同時に、地域活動におけるホームタウン応援デーなどを利用して初めて観戦していただいた方には、ガンバ大阪の魅力を体感していただくことで、2回目、3回目とその数を増やしていただけるきっかけづくりを提案していかなければいけないとも思っています。

 それが積み重なっていけば、ファンクラブにご入会いただくとか、年間チケットを購入していただくような、コアなファンの獲得につながっていくはずですしね。であればこそ、たとえばホームタウン活動とチケット販売を連動させるとか、リピーターを増やすための『セットチケット』の販売など、クラブ内での横連携を強めたうえでの継続的な取り組みが重要だと考えています」(山崎美枝氏)

さまざま施策の先に見据えるのは
一試合でも多く
満員のスタジムを実現すること

 そんななか、ガンバ大阪が実施するさまざまなイベントの中で最も人気が高いとされている『GAMBA EXPO』が8月18日に迫っている。

 これは、2017年にガンバ大阪のゴールドパートナー『ぴあ』のスポンサーデーに端を発したイベントで「スポーツで地域を元気にする」「子どもたちが夢を持つきっかけになる」といったガンバ大阪の理念を体現しようと、『ぴあ』とクラブがタッグを組んで実現したイベントだ。

 1〜2年目は地域のシンボルである『太陽の塔』とコラボしたユニフォームシャツが無料配布されたことが大きな反響を集め、一気に人気イベントとして定着。第3回目の開催となる今年も、タレントの木梨憲武さんにユニフォームシャツのデザインを依頼したことも話題を呼び、すでにチケットは完売したと聞く。担当者のひとり、顧客創造部企画課チケット担当の村山北斗氏は言う。

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