久保建英級の逸材がズラリ。U-20フットサル日本代表がアジア制覇 (2ページ目)

  • 河合拓●文 text by Kawai Taku
  • photo by Kawai Taku

 日本の戦いぶりは目の肥えたイランのサポーターにも、好ましく捉えられた。延長戦に入り、日本が加点をするたびにテンションを落としていった彼らは、試合直後こそ優勝候補だった自国の敗退に落胆していたが、最後には「ジャポン! ジャポン!」と、日本の選手たちを称える声援を送っていた。

アフガニスタンとの決勝を戦う本石アフガニスタンとの決勝を戦う本石 準決勝でイランとの死闘を制した日本だったが、2日後の決勝では、さらなる"どアウェー"の試合が待っていた。その対戦相手はアフガニスタン。近年、飛躍的に力をつけているこの国は、アジアレベルの公式戦で初めて決勝進出を果たした。イランで開催されている大会の決勝に、隣国のアフガニスタンからは多くのサポーターが集まった。日本の選手たちはボールを持つたびに激しいブーイングにさらされ、互いの指示がまったく聞こえない状況でのプレーを強いられた。

 しかし、すでに準決勝でも完全アウェーを体験していた日本は、その雰囲気にのまれることなく、自分たちのリズムで試合を進めていく。前半のうちに2点をリードした日本は、この試合でも粘り強い守備で主導権を握り、アフガニスタンの反撃を1点に抑えた。試合終盤には、この試合好セーブを連発していたブラジル育ちでかつてコリンチャンスの下部組織でもプレーしていたGK田淵広史の得点もあり、3-1で勝利した日本が悲願の初優勝を遂げた。

 今大会のU-20フットサル日本代表14名のうち、8選手はFリーグのクラブに在籍している。彼らのほとんどは、高校年代からフットサルに専念してプレーしてきた。もう一人、イタリアでプロのフットサル選手としてプレーしているのが、唯一、前回大会にも出場していた左利きのアタッカー、山田慈英だ。また、ファーストセットの前線のポジション・ピヴォを務める本石猛裕は、サッカー推薦での九州の大学に進学することが決まっていたが、フットサル大会に出場した際にU-20フットサル日本代表の鈴木隆二監督に口説かれ、フットサル部のある都内の大学へ進み、現在はFリーグ・ペスカドーラ町田の下部組織に加入している。

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