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久保建英級の逸材がズラリ。
U-20フットサル日本代表がアジア制覇 (3ページ目)

  • 河合拓●文 text by Kawai Taku
  • photo by Kawai Taku

 イラン戦でゴールを挙げた大塚尋斗と橋本澪良は、高校時代はそれぞれ強豪高校のサッカー部に所属。そのチームが全日本U-18フットサル選手権に出場したことで、鈴木監督の目に留まり、このチームに選出された。高校2年生の夏に行なわれたこの大会で6試合19得点という驚異のゴールラッシュを見せ、矢板中央高校を全国制覇に導いた大塚は、現在法政大学サッカー部に在籍し、Jリーガーを目指している。一方の橋本は大阪成蹊大学フットサル部に所属、卒業後のFリーグ入りを目指している。

イラン戦でゴールを挙げた大塚イラン戦でゴールを挙げた大塚 そして、イラン戦で勝ち越しゴールを決めた井口凜太郎、大会MVPに輝いた大澤は、現役高校生であり、2年後の大会にも出場できる。井口はFリーグ・シュライカー大阪の下部組織、大澤は関東リーグのZOTT WASEDA FUTSAL CLUBに在籍して、社会人たちと日常的に公式戦を戦っている。本大会直前で負傷離脱した毛利元亮を含めた3選手は、2年後のU-20日本代表チームでも主軸となることが濃厚だ。

 この優勝は、アジアでも快挙として捉えられた。その理由は日本の準備期間の短さだ。サッカーでは代表活動が国際Aマッチデー前後に限られることが、当たり前となっている。だがフットサルでは、ブラジル、スペイン、ポルトガルといった自国リーグがしっかり整備されている国ではともかく、とくにアジアでは代表チームがクラブチームのように活動していることが珍しくない。実際、今大会で4位に躍進したインドネシアは、自国リーグに今回のU-20代表チームを参加させ、大幅なレベルアップに成功している。イランは1カ月前からトレーニングキャンプを行ない、今大会に準備していた。

 こうした国々に対して日本は、大会開幕1週間前に集合、練習ができたのは出発前の1回とイラン入りしてからの4日間のみだった。他国に比べて極端に活動期間が短いなかでもチームが組織的なプレーを見せ、高い団結力を持つことができたのは、フットサル界最高峰のスペインでコーチとしての修業を積み、年代別のカタルーニャ州選抜の監督も任されていた鈴木監督の指導の賜物だろう。

 チーム結成以来、招集し続けた選手は、ほぼ同じ。東アジア予選とチャイニーズ・タイペイでの国際大会も同じメンバーで戦い、コンビネーションを熟成していった。国内での最終合宿には村上拓也と松川網汰を招聘し、最終的に毛利の負傷を受けて松川網汰がメンバー入りしたが、ほかのメンバーと3選手の連携が出来上がっていたこともあり、スムーズにチームへ溶け込んでいった。

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