ACLグループリーグ突破へ首の皮一枚。
川崎Fには発想の転換が必要だ (3ページ目)
今季の川崎は、FUJI XEROX SUPER CUPに始まり、J1の8試合、ACLの4試合と合わせ、計13試合を戦ってきたが、勝利した5試合はすべて無失点勝利。つまり、失点しながら勝った試合はひとつもない。逆に無失点ながら勝利できなかったのは、0-0で引き分けたJ1第1節のFC東京戦があるだけだ。
「この強度で守られると、なかなか点は取れない。相手はどこもなりふり構わず守りを固めてくるので、それをこじ開けるのは簡単ではない」
蔚山との試合後、中村がそう話していたように、優れた攻撃力を持つ川崎に対し、程度の差こそあれ、守備を固めることはもはや常識。しかも、それは日本だけでなく、アジアにおいても変わらない。蔚山のキム・ドフン監督が語る。
「ポゼッションサッカーでリーグを連覇している川崎は、質の高いサッカーをするので警戒していた」
そんな"川崎包囲網"をいかに突破してゴールを奪うか。それは王者が王者であり続けるために、重要な要素ではある。
だが、それと同じか、あるいは、それよりも重要なのは、得点をするまで守備が持ちこたえられるかどうか。取れないなら取らせない。その発想がもっと必要なのかもしれない。
もちろん、失点の責任はGKやDFだけにあるのではない。前述のとおり、蔚山戦にしても、失点の発端はもっと前にある。ボールを保持して攻めながらも、リスク管理を強化していく必要があるだろう。
失点を恐れ、本来の攻撃力が影を潜めたのでは本末転倒。しかし、だからといって、相手の守備をこじ開けることばかりにフォーカスしていては、悪い流れは変えられない。
そんなことを示唆する、2-2の引き分けではなかったか。
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