2019.04.25

イニエスタが「バルサのようだ」と言った
直後、指揮官は神戸を去った

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 今シーズン開幕以来、フアン・マヌエル・リージョが率いたヴィッセル神戸は、戦いの形を成熟させつつあった。

 ところが、開幕後にバルセロナから移籍してきたスペイン人MF、セルジ・サンペールが先発に名を連ねるようになって、失点を重ねている。第5節のガンバ大阪戦は3失点、第6節の松本山雅戦は2失点、そして第7節のサンフレッチェ広島戦は4失点。得点数は増したが、それ以上に守備の乱調は明らかだった。

 サンペールは1年以上、公式戦から離れていた。簡単に背後へボールを通され、シューターに対する寄せも甘かった。守備の負担を周りに強いていた。

「どうして無理にサンペールを使うのか? 寄せが甘く、背後へボールを通されている。明らかに攻守のバランスが悪くなっているよ」

 広島戦後、筆者はSNS通信アプリでリージョ監督へメッセージを送った。

「セルジを起用する理由は、いくらでも説明がつくぞ」

 リージョは、数分間の音声メッセージで饒舌に答えている。

「セルジは長い間、実戦から離れている。それだけに、試合勘はたしかにない。でも、あいつは誰よりもボールを速く走らせることができる。角度をつけ、ボールの流れを変えられる。自分はそのプレーを叱咤激励している。思った以上のセンスで、必ずこれからアジャストし、成果を出すはずだ」

監督交代後、初めての試合だった浦和レッズ戦に敗れた神戸の選手たち しかし4月17日、リージョは監督を”辞任”している。すでに監督は交代。スペイン人指揮官は未来の戦いを見据えていたが……。

「バルサ化」