久保建英の肉体と精神は1年で大きく成長。バルサ育ちの真価発揮へ (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「建英のところで、時間を作れるようになった。交代するまで、守備でも穴を作っていない」

 試合後、FC東京の長谷川健太監督はそう言って、開幕先発に抜擢した久保のプレーを絶賛している。

「(久保は)すべての面で成長した。精神的にも、外に出てプレー(昨シーズン途中に横浜F・マリノスへ移籍)し、子供のメンタルから大人のメンタルになって戻ってきた。昨シーズンまではボールを奪われていたところで、奪われなくなった。フィジカル的にも倒されなくなったし、この年代の1年の成長はすごい。

 この言い方が正しいかわからないが、堂安(律)がヨーロッパに行く前と同じレベルにあるだろう。成長次第で、たとえばU-20W杯で活躍すれば、ヨーロッパのクラブから声がかかるんじゃないかな」

 後半に入ると、久保は受け身に回ったチームのなかで消耗していった。前半のようなプレーは見せられていない。しかし後半32分に交代するまで仕事をやり切って、勝ち点1に貢献した。

「5月のU-20W杯後、夏にでもヨーロッパに行くのでは?」

 マーケットからはそんな声が聞こえてくる。

 バルセロナへの復帰もない話ではない。久保とジュニア時代にチームメイトだったニコ・ゴンサレス(17歳、元スペイン代表MFフランの息子)は、マンチェスター・シティのユースに所属していたが、今シーズンはバルサのユースに戻り、昨年11月にはバルサBでデビュー。ユースを主戦場に、UEFAユースリーグ(ユース年代の欧州チャンピオンズリーグ)で研鑽を積む。

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