堂安律らの活躍に刺激大。岩崎悠人は憧れのミシャサッカーで勝負する (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文・撮影 text & photo by Iio Atsushi

 当時、京都ではサイドでプレーすることが多く、得点から大きく遠ざかっていただけに、「(アジア)大会を通して、自分の持ち味が何なのか、今後どういうプレーをしていけばいいのか、再確認できた」と、薄れつつあった得点感覚を取り戻したことを喜んでいた。

 ところが――。京都はシーズン途中で監督が代わり、戦術も変わった。アジア大会を終えて岩崎がチームに戻ってくると、ポジションがなくなっていた。

 昨シーズン終盤、出番を得られない状況に対して岩崎は、「もちろん、悔しいです。でも、落ち込んで私生活が乱れても意味がないし、将来、『あの時期があったから今がある』と言えるように、しっかりやっています」と、前を向いていた。

 とはいえ、東京五輪は1年半後に迫っているのだ。今オフ、もっと成長するために環境を変えたいと岩崎が思うようになったのも、当然のことだろう。

 そんなとき、いくつかのオファーが届く。そのなかには、惹かれていたペトロヴィッチ監督が指揮を執る札幌の名前があった。

 そして、さらに決め手となったのが、札幌のフロントの言葉だったという。

「強化部の竹林(京介/強化本部長)さんや三上(大勝/GM)さんが、一緒にオリンピックを目指そう、海外挑戦も応援したいと言ってくださって、その言葉がすごく響いたんです」

 札幌側にも事情があった。岩崎と同じくU-21日本代表の一員で、昨シーズン2シャドーの一角を務めた三好康児が横浜F・マリノスへと旅立ったからだ。

 とはいえ、岩崎にポジションが約束されているわけではない。シャドーのポジションにはチャナティップとアンデルソン・ロペスがいて、さらには鈴木武蔵の起用も考えられる。そのなかで、自分が出していくスペシャリティは何なのか。

「他の人にはないスピードや運動量、ドリブルという自分らしさを出していきつつ、このチームでは真ん中(シャドー)のポジションをやらせてもらっていて、自分でもゴール、ゴールって(意識を)強く持っている。ゴールに関わるプレーにこだわっていきたい」

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