堂安律らの活躍に刺激大。岩崎悠人は憧れのミシャサッカーで勝負する

  • 飯尾篤史●取材・文・撮影 text & photo by Iio Atsushi

 充実している様子は、ときおりこぼれる彼らしい笑みから伝わってきた。

 北海道コンサドーレ札幌の沖縄キャンプで岩崎悠人は、希望する「真ん中のポジション」、2シャドーの一角でハツラツとプレーしていた。

京都サンガから北海道コンサドーレ札幌へ移籍した岩崎悠人京都サンガから北海道コンサドーレ札幌へ移籍した岩崎悠人 トレーニングの設定に対する理解や、周りとのコンビネーションが十分ではないため、ぎこちない動きも見られたが、それでも練習後、岩崎は柔らかい表情で言うのだ。

「日々の練習メニューに僕の課題が詰め込まれているので、毎日勉強になる。今は本当に充実していますね」

 練習メニューに詰め込まれた課題とは、連係・連動した崩しにおける緻密な動きのことだ。爆発的なスピードや豪快な突破がストロングポイントの岩崎にとって、それは苦手な分野。しかし、前線のコンビネーションによる計算づくの崩しを狙うミハイロ・ペトロヴィッチ監督のサッカーにおいて欠かせないため、必死に習得している最中なのだ。

「動き出しのタイミングだったり、準備のところから今は、頭を使ってやってます」

「ミシャ」の愛称で親しまれるペトロヴィッチ監督は、浦和レッズ時代に指導を受けた日本代表の原口元気(ハノーファー/ドイツ)が、「攻撃のアイデアがあれだけ豊富な監督をほかに知らない」と称賛する指揮官である。

 プロ3年目を迎える岩崎が京都サンガを離れ、完全移籍で北の大地にやって来た大きな理由も、この指揮官の影響があった。

「去年、札幌の試合を見て、すごく魅力的なチームだなって思ったし、ミシャさんのもとでやってみたいな、この人のもとなら勉強になるなって思ったのが大きな理由です」

 もっとも、理由はそれだけではない。

 京都橘高校から「高校ナンバーワンストライカー」として京都に加入したのが、2年前の17年シーズン。プロ1年目から出場機会を掴み、U-20ワールドカップに出場した。プロ2年目の昨シーズンは東京五輪代表であるU-21日本代表として、U-23アジア選手権やアジア大会に参加。アジア大会では4ゴールをマークし、準優勝に大きく貢献した。

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