鳥栖の選択は吉と出るか。スペイン人新指揮官は「トーレスのお友達」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Osports Photos/AFLO

「勤勉でエネルギッシュな監督」(マルカ紙)と評判は高まった。そして2011-12シーズンから2シーズン連続、しぶとく勝ち点を稼いでチームを残留させた。

 ところが、そこからは苦難は続くことになった。

 2013-14シーズン途中から率いた2部のマジョルカでは連戦連敗。選手の信望を失って、わずか3カ月で解任の憂き目に。チームはそのままなら降格だったが、後任監督のおかげで盛り返している。

 2014-15シーズンも、途中から2部サラゴサと契約した。だが、プレーオフ圏内が目標だったにもかかわらず、圏外になってしまい、契約更新はされていない。最後の試合では選手の士気が上がらず、敵地で昇格したばかりのチームに6-2で大敗し、「恥ずべき大惨事」と地元紙に報じられる結末だった。

 そして2017-18シーズンは、当時、鈴木大輔(浦和レッズ)も在籍していたヒムナスティック・タラゴナを率いたが、プレシーズンから補強を巡ってクラブと衝突。選手の求心力も欠いた。開幕から勝ち星に見放され、わずか5試合(スペイン国王杯も含む)で解任されている。

「3回続けて契約を打ちきられた監督は、国内で(同じカテゴリーで)再起するのは難しい」

 それがスペインの監督のマーケットにおける、ひとつの定石になっている。中国のクラブを率いるファン・ラモン・ロペス・カロ監督なども同様だろう。2006年にレアル・マドリードの監督を解任されたあと、レバンテでは半年足らずで解任され、セルタでも成績不振でクビを切られ、さらにスペインU-21代表でも不甲斐ない結果に終わった。それ以来、国外で監督活動を続けている。

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