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「この流れは2、3年続く」流経大柏の
名将が語る高校サッカーの傾向

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 優勝候補の筆頭が下馬評どおりの強さを示し、2年連続でベスト4に駒を進めた。

 1月5日、フクダ電子アリーナで行なわれた全国高校サッカー選手権の準々決勝。流通経済大柏(千葉県)は開始早々に奪った虎の子の1点を守り抜き、東北の古豪・秋田商業(秋田県)に1−0で競り勝った。

流経大柏は強度の高いプレスを武器に秋田商の攻撃を抑え込んだ流経大柏は強度の高いプレスを武器に秋田商の攻撃を抑え込んだ スコアは1点差ながら、両者の間には大きな実力差が横たわっていたように思う。

 立ち上がりからハイプレスを仕掛ける流経大柏に対し、秋田商は思うようにボールを持つことができない。奪われたボールは一気に背後へ蹴りこまれ、流経大柏のスピーディなFW陣にDFが1対1の状況に持ち込まれてしまう。なんとかブロックやクリアに逃げるも、スローインやCKを立て続けに与え、リスタートからあわやという場面を作られてしまった。

 先制点の場面も、スローインからだった。今大会の流経大柏の最大の武器となっているのは、ロングスロー。10番を背負うMF熊澤和希(3年)が投げる驚異の放物線は、ゆうにペナルティエリア内まで到達し、CKやFKと同等の威力を秘めているのだ。

 6分、その熊澤のロングスローをFWの岡本竜(3年)がヘディングで合わせる。このシュートは相手にブロックされたが、こぼれ球をボランチの八木滉史(こうし/2年)が押し込んで、先制に成功。その後も、鹿島アントラーズ入りが内定している今大会注目のCB関川郁万(いくま/3年)がCKから惜しいヘディングシュートを放つなど、得意のリスタートから次々に決定的なチャンスを迎えた。

 後半に入っても、流れは変わらない。流経大柏のプレスの強度は衰えず、高い位置でボールを奪ってはリスタートの機会を何度も獲得。もっとも追加点を奪うことができず、終盤は鋭く背後を突く秋田商の攻撃にややてこずったが、関川を中心とした堅守は崩れることなく、そのままタイムアップの笛を聞いた。

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