辞任から続投へ。ジュビロ名波監督が
味わった残留確定後の壮絶な90分 (5ページ目)
――それはまた、社長の"策"と言ったら失礼ですけど、名波さんの気持ちを静める方法がわかっていた社長がすごいですね。
「すごいね。確かに効果あったもん。今思えば、効果抜群だったよ(笑)」
――失った自信については、あれから少し時間が経って、徐々に回復しているのでしょうか。
「正直、今も自信は取り戻していない。以前が"100"だったとすれば、そこにはまだまだ及ばない。自信をなくしたことって、あります?」
――名波さんのような域にはありませんが、自信を失ったことはあります。
「そのときの気持ちを想像しながら、聞いてほしいんだけど、自分が持っていた"100"の自信と、みなさんが持っている"100"の自信は、おそらく大きく異なると思うんですよ。自分で言うのもあれなんだけど、自分は"超"がつくほどの自信家。それぐらい大きな自信がある。
で、今シーズン起こったことは、その自信家である自分が46年間生きてきて、そのすべてを奪われるほどの出来事だった。投資で何億円失ったとか聞いても、そんなことは大したことじゃないって思えるくらい。
だって、家の風呂場の鏡を見たとき、そこに映っている顔が自分じゃなかった。わかる? そういう感覚。そのぐらいの自信を、あの1週間で失った。まさにゼロになった。それは、簡単に取り戻せるものじゃないですよ」
(つづく)
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