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悲劇的な結末を迎えたジュビロ磐田。
J1残留のために必要なことは何か (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 最終節を前に勝ち点41で13位の磐田と、勝ち点40で16位の名古屋グランパスとの勝ち点差はわずかに1。とはいえ、両者の間には、いずれも勝ち点40で並ぶ14位の湘南ベルマーレ、15位のサガン鳥栖がおり、14位以下の3クラブすべてが磐田を上回り、プレーオフを回避するための条件は決して容易なものではなかった。

 まず、磐田が最終節で勝つか引き分ければ、自力残留(15位以上)が決定。負けたとしても、(1)鳥栖が鹿島アントラーズに勝つか引き分け、(2)名古屋対湘南が引き分け、の両方の結果がそろう必要があった。つまり、磐田にしてみれば、負けたとしても、それほど低くはない確率で残留できる可能性があったのだ。

 しかも、その最終節で磐田は川崎フロンターレから先制点を奪い、試合の残り時間は10分を切っていたのである。リードを守り切ればもちろん、同点に追いつかれても問題はなかった。

 ところが、あろうことか、83分に同点ゴールを、さらには、試合終了間際の94分に逆転ゴールを許してしまう。MF山田大記が「(試合が)終わった瞬間、ベンチの様子を見て、何となく(結果が)わかった」と話したように、鳥栖はアジア王者を相手に執念のスコアレスドロー。残留争いの直接対決も、互いに2点を取り合う激闘の末、引き分け。磐田は最後の最後で一気に順位を3つも落とし、プレーオフへと回ることになった。

「(先制したことで)精神的に緩んだということはない。1点に勇気づけられて、より守備をがんばろうという気持ちになったし、1点取られことで、ガクッときて2点目を取られたわけでもない」

 山田がそう振り返ったように、磐田は90分を通じて、粘り強く川崎の攻撃をはね返し続けた。同点に追いつかれたあとも、MFムサエフ、DF櫻内渚を投入したことで磐田の守りは安定し、ピッチ上にはこのまま引き分けで終わりそうな雰囲気が漂っていた。

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