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「らしいスコア」で首位を死守。
松本山雅、4年ぶりのJ1昇格なるか (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 栃木のストロングポイントであるロングボールやセットプレー対策には入念な準備を施し、危ない場面はほとんど作らせなかった。一方で攻撃がうまくいかなければ、高崎のポジショニングを修正させ、縦パスが通りやすい状況も生み出している。

「心臓に悪いようなシーンもたくさんありましたけども、しっかりと準備してきたことを表現してくれて、本当に感謝している」

 反町監督はそう選手たちを称えたが、指揮官の考えを実際にピッチ上で表現できる選手たちの献身こそが、今の松本の強みとなっているのだろう。

 振り返れば今季序盤の松本は、開幕から6戦未勝利と、苦しい戦いを強いられていた。しかし第7節の大宮アルディージャ戦で初勝利を挙げると、第20節からは5連勝を含む9戦負けなしと、勢いを加速。昇格のプレッシャーがかかる終盤にきて勝ち切れない試合も増えたが、粘り強く勝ち点を積み重ね、順位表の一番上に立って最終節を迎えることとなった。

 4位の横浜FCまでに優勝と、J1ライセンスのない町田を除く3チームに自動昇格の可能性が残る、運命の最終節。松本とすれば、勝ちさえすれば他チームの結果にかかわらず、優勝と昇格を実現できる。

「周りを気にせず、自分たちのサッカーをすること。山雅らしいサッカーで、しっかりと優勝して、J1に上がりたいと思います」

 田中は力強く宣言した。36歳のベテランの言葉は、果たして現実のものとなるのか。

 4年ぶりのJ1昇格へ――。最終節、大観衆が訪れるであろうホームでの徳島ヴォルティス戦で、その運命は決する。

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