鹿島がACL制覇へ王手。強さを取り戻した要因はSBの位置取りにあり

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真photo by Sano Miki

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第1戦。鹿島アントラーズはペルセポリス(イラン)に2-0で先勝。アジアチャンピオンの座に王手をかけた。

 ホーム&アウェー戦で、緒戦を2-0でモノにしたチームが優勝する可能性は、一般的にいえば75%程度。テヘランで行なわれるアウェー戦の厳しさを考えれば、その可能性は10%ほど低下するものの、第1戦の戦いの中身そのものに目を凝らすと、鹿島優勝の可能性は10%ほど上昇する。

 なにより終わり方がよかった。後半の途中から試合は完全に鹿島の流れになった。逆にペルセポリスはリズムを崩した。後半、チャンスらしいチャンスをつかめぬまま、彼らは終了のホイッスルを聞いた。

 セカンドレグは1週間後。間を置かずに行なわれることを考えれば、この流れは簡単にリセットされそうにない。鹿島はいいイメージのまま、セカンドレグに望めそうだ。

ペルセポリス戦の後半13分、先制ゴールを決めたレオ・シルバペルセポリス戦の後半13分、先制ゴールを決めたレオ・シルバ 立ち上がり、ペルセポリスはとても強そうに見えた。鹿島はそのひとりひとりの高いポテンシャルと体格のよさに圧倒された。

 開始早々、相手FWアリ・アリプールの胸トラップシュートを、鹿島DFチョン・スンヒョンが顔面に当てて跳ね返したシーンがあったが、これが決まっていたら試合はどうなっていたかはわからない。

 ペルセポリス側はこのシーンを、ハンドだと主審に猛列に抗議した。しかし映像を見る限り、当たった場所は明らかに顔。抗議するまでもないプレーに対して激しく抗議する姿に、真の強さをうかがうことはできなかった。

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