鹿島がACL制覇へ王手。強さを取り戻した要因はSBの位置取りにあり (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真photo by Sano Miki

 そしてセルジーニョ。これでACL5試合連続のゴールである。特段、技巧的ではなく、馬力があるわけでも、スピードがあるわけでもないが、終わってみれば試合を決めるプレーに深く関与する不思議なプレーヤーだ。ジーコの口利きで加入したと言われるが、鹿島の浮上と大きな関係がある。決定力不足という問題はこれで大きく改善された。

 攻撃でいうなら、鈴木優磨の成長も見逃せない。一見、無骨な選手ながら、毎年、着実に進歩している。プレーに粘りが生まれ、試合勘もよくなっている。日本代表に抜擢されてもおかしくないレベルにある。

 選手個人について話を進めれば、今季途中から加入したセンターバックのチョン・スンヒョンも、チーム力アップを語るときに外せない選手になる。その風貌と最終ラインからの高いフィード力から連想するのは、元バルセロナ&オランダ代表のロナルト・クーマンだ。

 セルジーニョ、チョン・スンヒョン、それにレオ・シルバ、さらに準決勝で大活躍したGKのクォン・スンテ。外国人選手がここにきて充実したプレーを繰り広げていることも見逃せない。

 テヘランで行なわれるセカンドレグに向けての唯一の心配は、チョン・スンヒョンとコンビを組む昌子源の調子が上がっていないことだ。ケガから復帰して間もないということで、試合勘が回復していない様子だ。真面目そうな選手であるだけに、よけい気がかりである。

 鹿島がアジアを制する確率は70%強。第1戦後半の内容が維持されれば、具体的には鹿島の両サイドバックが高い位置を取ることができれば、まず大丈夫だと思われるが。結果はいかに。

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