日本の女子高生が起こしたサプライズ。ユース五輪フットサルで銀メダル (2ページ目)

  • 三村高之●文・写真 text&photo by Mimura Takayuki

 すでに別グループのスペインは1位通過を決めていた。準決勝でスペインと当たるのを避けるためには、日本はポルトガルに勝って1位通過したいところ。だが、守備を固めて少ないチャンスを活かす作戦で挑んだものの、前後半に1点ずつ失い0-2で敗れた。

 この段階で、誰もが「決勝戦はポルトガル対スペイン」と思ったが、そこで日本がビッグサプライズを起こす。

 準決勝のスペイン戦も、日本は守備的な戦術で挑んだ。

「ポゼッションにはこだわらず、ボールを自陣ゴールからできるだけ遠ざけておくことを心掛けました。常に相手がボールを持っていても、ゴールから遠ければ失点の可能性は低い」(木暮賢一郎監督)

 日本の選手はボールを持った相手の前で蓋をする。決して無理に奪おうとはしない。スペインは次々とボールを回していくが、深追いもしない。「堅守からのカウンター狙いだが、上がりすぎると穴を突かれてピンチを招く」(木暮監督)と、ポルトガル戦での反省点を徹底させた。

 しかし20分ハーフの前半17分、ゴールラインに近い右サイドからのキックインから失点を許してしまう。このときキッカーは、近くにいた味方選手に「コルティーナ」(スペイン語でカーテンのこと)と告げた。それを聞いた選手はゴールの方へ向かっていく。しかしキックインのボールは後方へ蹴られ、そこから放たれたミドルシュートがゴールに突き刺さった。指示を受けた選手がカーテンとなり、GKの視界を遮ったのだ。

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