2018.09.04

福田正博が熱弁。「トーレスが本領発揮するための打開策がある」

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by Getty Images

福田正博 フォーメーション進化論

 フェルナンド・トーレスがJリーグ初ゴールを決めるまで、少し時間がかかったなというのが正直な感想だ。

リーグ戦でここまで1ゴールのフェルナンド・トーレス 8月26日に開催されたJ1リーグ・第24節のガンバ大阪戦で、Jリーグ初得点を決め、その4日前にあった天皇杯4回戦でもゴールを決めていたので、2戦連発だった。

 J1第25節のFC東京戦では得点はなかったが、トーレスは注目度の高さや、得点を求められていることは自覚しているはずで、得点が増えていけば、今後はより肩の力を抜いて本来のプレーができるのではないだろうか。

 第17節の仙台戦に途中出場してJリーグデビューしてから、初ゴールまで8試合を要したが、この間のトーレスは得点こそなかったものの、献身的なプレーでチームに貢献してきた。

 前線から守備をして、ときには自陣まで引いて守り、味方がボールを奪えば長い距離を走って相手ゴール前にポジションを取る。まわりの味方を使うのもうまい。

 もともとエゴイスティックにゴールを狙うというイメージを持っていなかったとはいえ、もう少しゴールに対して貪欲にプレーすると思っていたが、あれほどの実績を持つ選手が、献身的にプレーするのはすごいことだ。

 もちろんストライカーとしてのエゴは持っているはずだが、それはチームが勝利するためのエゴであることを、プレーで示している。見方を変えると、トーレスは経験豊富な34歳のベテランで、まわりを上手に使いながら、自分が生きる術を身につけているということだ。

 惜しむらくは、鳥栖のチーム状態があまりよくないことだ。トーレスがまわりを使って自分が生きようとしているのに、それにチームがまだ十分応えられていない。データによれば、トーレスにパスを出している味方の上位に、GK権田修一の名前がある。GKからのパスが多いというのは、ストライカーにとってはなかなか苦しい状況だ。