2018.08.07

勝ち切れないレッズ、柏木陽介のジレンマ。
「次の人が動いてくれない…」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 今季早々に監督交代に踏み切った浦和レッズが、シーズン半ばを過ぎてようやく調子を上げてきた。

 オズワルド・オリヴェイラ監督が指揮を取るようになったのは第10節の柏レイソル戦から。当初は結果を出せなかったものの、ワールドカップ中断明け後は3勝1分と復調し、しかも第18節には首位のサンフレッチェ広島を4-1、第19節には昨季王者の川崎フロンターレに2-0の快勝と、決してフロックではない、たしかな力をつけているようにうかがえた。

柏木陽介は懸命にレッズの攻撃を引っ張ったのだが...... 果たして、好転の要因はどこにあるのか――。それを探るべく、埼玉スタジアムで行なわれたV・ファーレン長崎戦に赴いた。

 結論から言えば、この日の浦和には安定感こそあったものの、強さまでは感じられなかった。隙を見せなかった一方で、決定的なチャンスはほとんど作り出せず、0-0というスコアが妥当な内容だった。

 開始早々、ファブリシオのパスに抜け出した興梠慎三が惜しいシュートを放ったものの、それ以降の浦和は急激に勢いを失った。その原因は、つなぎのクオリティにあっただろう。

 この日の浦和はビルドアップを狙うのではなく、長いボールで前線を走らせる攻撃が多かった。前節の川崎F戦でもロングフィードが先制点の起点となっており、あえてそのスタイルを狙っていたとも思われたが、そもそもこの戦略は川崎Fのようにポゼッション型のチームには有効な手段。逆に長崎はカウンター型のチームであり、本来であれば浦和がボールを長く持つこともできたはずだったが、長崎に合わせるように浦和もまた、長いボールを蹴ってしまっていた。

 その原因は、長崎の献身的なプレスをかわすだけのボール回しができなかったからだ。長崎が長いボールを蹴り込んでくるため、ボールを奪える位置は必然的に後方に押しやられるが、そこからつなごうとしてもうまく回せず、結局長いボールに逃げてしまう。フィードを狙ったのではなく、蹴らされていたというのが現実だろう。