鹿島TD就任のジーコから熱いメッセージ。「第ニの故郷へ帰る理由」 (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 日本は私の人生で大きな部分を占めている。私からもう日本を取り去ることはできない。日本の人々はいつも私を愛してくれ、私に敬意を払ってくれる。それに応えるため、私は常にベストを尽くしてきたし、今後も尽くすことを約束する。

 日本サッカーは多くの問題を乗り越え、ロシアW杯ではすばらしいパフォーマンスを見せてくれた。その最高の経験を活かし、今は大きな前進を遂げることのできるときだと私は思う。

 現在、日本のトップレベルの選手たちはヨーロッパのクラブでプレーしているが、Jリーグにもいい選手は数多く存在するはずだ。強く、優秀で、若くてやる気に満ちた選手たち。日本の次世代を担う選手たち。彼らを知ることができるのは非常にうれしいことだ。アンドレス・イニエスタやフェルナンド・トーレスなどの世界のトップクラスのプレーに触れることで、彼らはより成長していくことだろう。

 すばらしかったW杯と、戻ってきた世界のビッグネーム。日本サッカーは新たな活性の時代に入ったように思う。だからこそ、私も鹿島に戻ってきた。サッカーが盛り上がれば、Jリーグにもスポンサーが戻ってくる。そうすれば日本サッカーはさらに強く、面白いものとなっていくだろう。

 人生においても、サッカーと同じように"時"というものがある。日本はここ10年、いろいろな災害に苦しめられてきた。スポーツもそれと無関係ではいられなかっただろう。しかし、日本人は本当に強い。地震や津波から立ち直ったように、スポーツも立ち直りつつある。なかでもサッカーは、その復興のシンボルにふさわしいものだと思う。

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