2018.08.03

ネジを締め直して「原点回帰」。
広島・城福サッカーの片鱗が見えた

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by Nikkan sports/AFLO

 今季のJ1で首位を走るチームらしい、実に見事な勝利だった。

 8月1日に行なわれたJ1第19節でサンフレッチェ広島は横浜F・マリノスに4-1で快勝した。「負けた次の試合が大事」とは、サッカーでよく用いられるフレーズだが、第18節で浦和レッズに1-4で敗れていた広島にとっては、まさにそうした状況だった。ましてや第17節でも名古屋グランパスに0-0で引き分けていたのだから、なおさらだった。

パトリック(中央)も2ゴールを決めて勝利の立役者となった 試合後の記者会見に現れた城福浩監督も、そこを強調した。

「前節は本当に我々らしくないゲームで試合を失ってしまった。今年戦うステージのことを考えたら、絶対に連敗はできない。連敗するチームになってはいけない、という強い気持ちで試合に入りました」

 横浜FM戦まで前節から中3日と時間の限られるなか、指揮官はチームとしての戦い方を明確に整理。訴えたのは、原点回帰だった。城福監督が続ける。

「これまで我々がやってきたことが蔑(ないがし)ろになるようなことは避けたかったですし、実直に取り組んできたことをやれれば勝ち点3が取れるんだということを、もう一度(選手たちに)確信させたかった。直近でいえば、リーグ戦は1分1敗。危機感もありましたし、このままでは終わらないという思いもありました」

 首位に立つ広島が、ここまで積み重ねてきたもの――。その根幹にあるのが、リーグ最少失点を誇る守備だった。

 だから、攻撃的なサッカーを指向する横浜FMに対しても、まずは我慢強い守備で対抗した。前半は横浜FMにボールを支配される時間帯が多かったものの、前線からの守備と、ダブルボランチを担う青山敏弘と稲垣祥がしっかりと中央を締めることで突破を許さなかった。両サイドバックが高い位置までせり出してくる横浜FMの攻撃に対しても、柏好文と柴﨑晃誠が素早く帰陣して対応。広島のサイドバックがマークに飛び出して裏にできるスペースも、ボランチがカバーすることで決定機を作らせなかった。