40歳の明神智和が言う「J3の舞台でも、学べるし、成長もできる」 (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text&photo by Takamura Misa

「グループリーグ初戦のコロンビア戦は見ました。でも、2戦目のセネガル戦は......睡魔に負けて眠ってしまった。『ヤバッ!』と思って起きたら、すでに3時で試合が終わっていて......録画では観たんですけど。

 西野さんが監督だったので、興味は大きかったんですが、翌日の練習を考えれば、睡眠のサイクルを崩したくないというのもあり......。それは今回に限らず、自分にとって日本代表が現実的でなくなってからは、ずっとそんな感じです」

 さらりと言ったその言葉に引っかかり、「今、日本代表は目指している場所ではないですか?」と尋ねると、即答だった。

「目指していません」

 そう考えるようになったのは、ガンバでのキャリアが終わりに差しかかった頃からだ。もっとも彼の場合、若いときから「日本代表に入りたいから、サッカーをがんばるという感覚はなかった」が、現実的に所属チームで控えに回ることが増え、出場時間が短くなるにつれ、自然と頭の中から、そのワードは消えていった。

「日本代表は、日本のトップクラスの選手が身を置く場所。僕の中ではJ1で、スタメンでバリバリ試合を戦えなくなった、イコール、そこを問える自分じゃないと思っています。もちろん、今でもトップリーグでガンガン試合に出ていたら、そうは言わないと思うけど、僕が今戦っているのはJ3ですからね。日本代表を現実的に考えられる場所ではない。

 ただ、だからといって、昔も今も、自分がやっていることは変わっていないし、サッカーへの向き合い方、うまくなりたいという向上心、サッカーの楽しさも変わっていません。ステージが下がっても、若い選手のプレーを見て『ああ、そういうプレーもあるのか!』と学ぶこともたくさんある。

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