ヴィッセル、さらにビッグネーム獲得か。
J1再開で勢力図が激変する (3ページ目)
全盛期は過ぎたかもしれないが、そのスピードと決定力、そしてなによりスター性を兼ね備えたフェルナンド・トーレスは、一見地味なこの地方クラブを大いに盛り上げるだろう。鳥栖は現在17位と降格圏に沈むが、「エル・ニーニョ(神の子)」の愛称に違わぬパフォーマンスを示し、チームを高みに押し上げる活躍が期待される。
その鳥栖は今季、韓国の蔚山現代に期限付きでレンタル移籍していた豊田陽平の復帰も発表している。元コロンビア代表のビクトル・イバルボも含めたFW陣の質は、一気にJ1トップクラスの破壊力を手にした。得点力不足に悩まされていた鳥栖が後半戦、急浮上を果たしたとしても不思議はないだろう。
この両チームのインパクトには敵わないものの、最下位に沈む名古屋も精力的な動きを見せた。川崎Fからエドゥアルド・ネット、FC東京から丸山祐市、柏レイソルから中谷進之介と、各チームのレギュラークラスを次々に補強。いずれも守備的な選手であり、リーグワースト失点を喫する守備の改善を求めるクラブの狙いがはっきりと打ち出された補強を実現している。
ジュビロ磐田は川崎Fから大久保嘉人を獲得した。FC東京から1年で古巣に戻った大久保だったが、昨季優勝を果たしたチームで出番は少なく、わずか半年で新天地への移籍を決断した。中村俊輔とのホットラインを開通させ、得点力不足に苦しむチームの救世主となれるか。
そのほか、広島はオーストラリアリーグで2度の得点王を獲得した実績を持つコソボ人のべサルト・ベリーシャ(前メルボルン・ビクトリー)を獲得。FC東京はヴァンフォーレ甲府からリンス、浦和は元鹿島のファブリシオを迎え入れ、それぞれ前線のテコ入れを図っている。
一方で下位に沈む横浜FMは、守備の要を担っていたミロシュ・デゲネクがレッドスター・ベオグラードに新天地を求めた。また、G大阪はライバルのC大阪から柿谷曜一朗の獲得を狙ったものの、交渉は不発に終わり、現時点で戦力アップを実現できていない。17位の鳥栖と18位の名古屋が大型補強に成功するなか、16位のG大阪が新戦力を確保できないようだと、シーズン終了後によもやの結末も待ち受けるかもしれない。
◆トーレスだけじゃない。異色のMF加藤恒平は、鳥栖巻き返しのキーマン>>>
◆鹿島一筋12年の遠藤康。「小笠原満男の跡を継ぐイメージはないです」>>>
3 / 3