2018.06.05

永井秀樹、ユース監督2年目。
あの前橋育英を撃破した理想のサッカー

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

永井秀樹「ヴェルディ再建」への道(10)
ユース指揮官2年目のスタート

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現役のときから変わらない信念を選手たちに伝える永井秀樹自身の経験を糧に、
指導者として伝える信念

「2014ワールドカップ・ブラジル大会の前、日本代表の本田(圭佑)選手が優勝宣言した時、『何を言っているの!?』とか『夢物語だ』と批判された。でも、優勝宣言した本田選手を変人扱いしているうちは、日本のサッカーに未来はないと思う」

 プリンスリーグ開幕を目前に控えたある日、都内にてインタビューを行なった。開始から2時間近くが経過し、時刻は深夜0時を過ぎていた。

「スポーツに限らず、常識を覆すような発想や努力で、世界トップレベルで活躍している日本人は大勢いる。サッカーだって、日本人ならではの俊敏性、勤勉さや緻密さ、規律を守る精神などを活かせば、必ず世界で通用するはず。世界一だって夢じゃない。それをヴェルディユースのサッカーで証明したい」

 日本サッカーが世界一になるためには、何が必要か。永井の頭にはいつもそれがあった。

 現役引退後の昨シーズンに永井は、すぐに監督として動き始めた。この1年、育成の現場で貴重な経験を積めた一方、かねてより考えていた「自らのフットボール理論の答え合わせをする」という目的は果たせずにいた。

 今オフ、それがようやく叶い、2週間スペイン・バルセロナに渡った。FCバルセロナの育成からトップチームまで全カテゴリーの練習を視察し、現地スタッフともミーティングを重ねた。そして改めて、日本人の特性を活かしたサッカー、フィジカルに頼らない、勤勉で、緻密なサッカーを完成させれば、世界でも十分戦えると確認できた。